意見交換ページ
このページは、いただいた意見をスレッドとして掲載し、その意見に対する皆さんの意見をレスポンスという形で掲載していきます。レスのある方は、こちらに送ってください。GIISサイト管理人がスレッドの下に掲載します。
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1.GIISに興味のあるムスリマが名古屋モスクに集まり、意見交換をしました。(2007年、名古屋モスクワーキンググループ)
- 一度に何学年も募集をするより、まずはある程度対象をしぼり、順に学年を広げていくほうが確実で内容も充実するのではないか。
- 年頃の女の子を持つ母親たちからの現状を聞き、一番困難を抱えているようなので、初めは女子の高等学校を対象としたほうが良いのでは。
- 生徒の言語環境が様々で、海外に移住している場合は日本語力、日本在住の場合は英語力が問題になるので、入学当初の1年間は、各個人の言語力をつけるカリキュラムが必要。
- 英語のみの授業では卒業後の進路に不安がある。例えば新しい教育スタイルのぐんま国際アカデミーのように、国語と社会は日本語でというようなバイリンガル教育を取り入れたらどうか。
- 希望者が皆スクール近くに引っ越せるとは限らないので、寮があるといいのでは。
- 宗教的な授業は週数時間程度しかとれないと思うので、クラブ活動や放課後を使って、クルアーン暗誦クラブやハディース研究会などがあると良い。
- ラマダン月は授業時間の短縮や変更などをして断食しやすくするとよいのでは。
- 勉強ばかりでなく、例えばクラブ活動で農業体験ができる、などがあると良い。
2.女の子を育てているご家庭からの情報収集を行いました。(2007年、名古屋モスクワーキンググループ)
- 体育は必須科目なので、体操服や水着で肌を露出するのが困る。
レス:事情があって参加できないことを学校側に伝えることで、対処してもらえるはず。レポート提出など。対応の様子は学校によってさまざまと聞く。(09/8 岐阜県・Iさん) - 今の日本では中学生ごろから男女交際が普通になっているので、男女共学では影響が非常に心配。
レス:家庭での教育をしっかりしていればそれほど影響されないと思う。(09/8 岐阜県・Iさん) - 私立の女子中学高校では、スカートの短い制服を着用しなければならない。
- 服装が自由な学校なのでヒジャーブ姿でも問題はないが、自由すぎて非常に派手で、娘がその真似をしたがるので困る。
レス:普段から家庭でイスラーム式女性の服の着方を説明する必要がある。子供がそれに納得すれば、悪い影響を受けたり、真似をしたがることは少なくなると思う。(09/8 岐阜県・Iさん) - 年頃になると、登下校や外出時に一人にさせないため、母親の付き添いが必要でその負担が大きい。
- 暗くなってからの帰宅を父親が許さないため、文化祭等の学校行事練習や部活動に参加できない可能性がある。
3.本校を岐阜にし、普段をサテライトスクールでの通信教育等で行い、夏休み等長期休暇を利用して本校(岐阜)でスクーリング期間を設ける。(東海・Sさん)
4.アメリカなどのホームスクーリングの例に習う点を考慮する。上記のムスリム系学校ではホームスクーリングをベースとして、定期の会合や、また可能な生徒には通級で教育を実施している。ムスリム系に限らず、アメリカのホームスクーリングにおいては、母親の会が組織され、ホームスクーリング用教材(教科書・衛星放送・ビデオなど)が利用可能。地域のホームスクーリング生の会合なども企画されている様子。(日本では高校は単位制などがあるが、中学以下ではホームスクーリングは法律としてない。通常の学校での各教科の学習を補う形の通信教育が考えられる。)(09/8 関西・Hさん)
5.継続できる資金繰りのシステム作り。(09/8 関西・Hさん)
レス:授業料を徴収することで、教師の確保と学校の運営が継続できるのでは。(09/8 岐阜県・Iさん)
6.定期的にムスリム子弟が集まる機会づくり。(09/8 関西・Hさん)
7.諸外国のイスラム教育の共通項を教育する必要性。どの海外の国の文化やイスラム理解にも偏らない、イスラムの中核的なものを教育することによって、親のルーツや文化的背景によらず生徒を獲得できる。(09/8 関西・Hさん)
8.通常の学校教育と併用する形の私塾的な形態か、メインの学校教育になるのかの検討が必要です。
メインの学校教育(高校)の場合、日本の大学への受験資格についても検討しないといけないと思います。
教育機関の形態によって、学校教育法第一条に則った一条校(高卒資格)、国際的な評価団体(WASC, ECIS, ACSI)の認定を受けた外国人学校(高卒資格有無は学校による)などがあります。外国人学校で一条校の認可を受けているケースは老舗の韓国系やごく一部の新設校のみ。新設の中南米系学校は無認可のケースも多いようです。(09/8/24 関西・Hさん)
9.学校が出来始める前から、インターネットを使って、遠くにいる生徒も授業が受けられるようにする。
また、学校が出来た後も、やはり遠くに住む生徒のために、授業の様子をインターネットで流し、授業参加できるようにする。(09/8岐阜県・Sさん)
10.静岡県・Kさんより、以下5つのご意見をいただきました。(09/10)
①私立学校には「建学の精神」がある。
学校は公共のために存在する。日本在住のモスリムのためにというだけでなく、この学校の設立が日本社会に役立つ(と確信します)という点を明確にし、生徒も職員も自信と誇りを持てる学校つくりをすべきと思う。
もし「日本の学校に順応できない」「日本の学校ではモスリムとして不具合が多い」という理由でこの学校が設立されるのなら、よい学校にはなりえないだろう。
そのような理由でこの学校に来ても、卒業後のもやはり日本社会に順応できない大人に成長してしまうにちがいない。
どんな場合でも、子育てや教育はつねにさまざまな問題を抱えている。それを自分たちで一歩一歩解決し克服していく。それを通して子どもは成長していく。「逃げ場」はあってもよいが、それを目的として学校を設立しても、よい学校はできないと愚考する。
モスリム以外の一般日本人も通わせたいと思うような学校を目指すべきではないか。当然ダアワも念頭におくべきだ。少なくともそういう思いで、そういう理念で、建学の精神を作るべきである。
②宗派問題
超党派を明確にするとともに、学校理念や教育目的作りはもとより人事面・運営にも誤解がないように細心の注意すること。(私の周囲でもこれに関する懸念を口に出す人がいた。)
③言語問題
イマージョン教育(いわゆるバイリンガル教育)はそう簡単ではない。たぶんこの学校はいろいろな問題を抱え込む。最初からあまり高いハードルをいくつも用意するのは得策とは思えない。
まず外国人生徒の日本語問題が最重要課題で、ついで(出口のための)英語教育の充実というあたりではないだろうか。それだけでも、たいへんなことである。イマージョン教育は部分的に科目間でのコラボレーションという形で徐々に実現していくほうがよい。(第一、高校からではかなり難しいのではないか。)
④いわゆる「出口」の問題
現状のイスラームに対する偏見から考え、今のところこの学校を出ても就職は有利とはならないだろう。だから、進学を充実させるしかない。
日本社会の学校評価は、進学率である。一流大学に何人も入れれば、日本社会はこの学校に一目置いてくれるのである。
また、日本社会で指導的立場にたつ卒業生を送り出すとはつまり、日本社会のエリート層にたくさんのモスリムを送り込むことになり、ダアワにつながっていく可能性がある。
ただし、よい教育をすれば進学率があがるというわけではないのは言うまでもない。進学教育が日本の教育をダメにしているという意見もあるのに学校経営を考えると、無視できないのはじつに情けないことではあるが、、、
⑤金銭問題
いわゆる一条学校(高等学校)の助成金はばかにならない。通常費用の半額程度は助成金でまかなわれる。高等専修学校でも金額は少なくなるが助成金はある。(愛知は私学助成が高いので有名だ。愛知の山の中に作った私学があるが、助成金で潤っているという話を聞いたことがある。岐阜はどうだろう?)
設立費用は高等学校の方が高いが、助成金等(民主党政権になったのでことによるともっといろいろ)でかなり楽になる。当初は、高等専修学校ではじめてもよい。(基準さえ満たせば高等専修学校でも大学受験資格は得られる。)
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